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倉敷の海浜、民有地登記は有効 岡山地裁、国の訴え退ける
(2013年04月02日)
倉敷市下津井地区の砂浜が、本来は国有地であるのに民有地として登記されたとして、国が所有権登記した同市の男性らを相手に、国有海浜地と民有地との境界確定や、国に所有権があることの確認を求めた訴訟で、岡山地裁が12日までに国側の訴えを退ける判決を出していたことが分かった。国は不服として控訴している。
判決によると、2008年2月、当時の所有者などから依頼を受けた男性らが境界設定願を岡山県に提出し、協議を開始。同年9月、「境界確定協議書」が交わされた。その後、土地は分筆され、翌09年3月までに男性らに所有権が移った。協議書では、海と民有地の間にある海浜が民有地になっていた。
国や県は「協議書は海と陸の境を確認したにすぎず、海浜が国有地であることは明らか」と主張。さらに国は協議が仮に成立したとしても、県の錯誤によるものだったとして無効を求めた。
判決理由で古田孝夫裁判官は「協議書に海陸の境界を確認する注記などは書かれておらず、当時の所有者が、それを知る必要性があったとはいえない。錯誤と認められる証拠もない」と退けた。判決は昨年12月14日付。
被告男性は「こちらに落ち度がないのに訴訟にまで巻き込まれ、憤りを感じている。協議書には公印も押されており、県にはその責任の重さを認識してほしい」と話している。
管轄する県港湾課は「訴訟中のためコメントは控えたい」としている。
(2013/3/13 山陽新聞)