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地籍調査:人手不足、財政難...進まない 災害復旧の妨げにも /福井

2013年05月17日

 土地の境界や面積などを市町村が確認する地籍調査が進んでいない。2013年3月現在の県内の進捗(しんちょく)率は13・1%で、全国平均の50%を大幅に下回る。調査が済んでいないと、津波や地震など災害からの復旧が遅れる可能性もある。調査を行う市町の人手不足や財政難などが背景にあるとみられ、県は調査実施を働きかけている。【佐藤慶】

 地籍調査は、国土調査法で定められている。土地一筆ごとに所有者や地番を調査し、境界の位置や面積を測量する。結果を基に登記簿が修正され、固定資産税算出の基礎情報にもなる。経費は国が2分の1、県と市町がそれぞれ4分の1を負担する。

 県農村振興課によると、県の総面積から国有林や湖などを除いた調査対象面積約3700平方キロのうち、調査が完了しているのは約485平方キロにとどまる。現在、大野、勝山など8市町が調査を実施中。しかし、福井、敦賀など7市町は今年度は調査をせず、池田、越前両町はこれまで全く調査していない。

 地籍調査が必要なのは、境界を示す地図が古く、現状と異なる場合があるためだ。調査が済んでいれば、土地取引が円滑に進みやすい。

 さらに、巨大災害で境界が分からなくなっても地籍図を基に境界を復元できる。未実施だと土地所有者同士が立ち会って確認しなければならず、災害復旧が遅れる可能性もある。このため県は全市町を対象とした研修会を開催したり、未実施の市町に調査を要請したりしてきた。その際に災害復旧に役立つ点も説明しているが、東日本大震災のあった11年3月の13・0%から大きな伸びは見られない。

 調査が進まない背景として、同課は市町の人手不足や財政難を挙げる。県の津波シミュレーションで最大約70ヘクタールが浸水するとされた越前町の担当者は「地籍調査の重要性は認識しているが、実施には最低でも担当職員が3〜4人は必要。割り振る余裕がない」と苦しい実情を明かす。福井市の担当者は「権利が絡むため調査には地元の同意が必要となるが、今まで隣地の所有者となあなあでやってきた地権者の多くは、境界が明確にされることに抵抗感があるのではないか」としている。

(2013/5/14 毎日新聞) 


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